男と女―命の差―

人間十人十色で人それぞれ皆、性格が違います。色分けできるものとしては男と女で分けられることも多いようですが、中でも平均寿命はよく言われることです。2018年の時点での平均寿命は女性87.32歳、男性81.25歳でその差は約6年あります。

命の差が男女で6年もあることになりますが、それぞれが持っている生物学的な差なのでしょうか? 命の差には諸説があります。女性のほうがホルモンの違いにより血管の病気が少ない、長寿ホルモンのアディポネクチンが女性のほうが多い、社会的・文化的に男性のほうがストレスが多い、生活習慣からくる病的要因(タバコ、深酒等)が男性のほうが多い等々。

ある本を読んでいると、別の説が出ていたので面白いと思いました。その説によると、自律神経が命の差の要因とのことです。人間誰にでも備わっている自律神経は交感神経と副交感神経に分けられ、交感神経は活動中、緊張している時やストレスを感じるときに働いて、副交感神経は眠っている時、リラックスしている時や休憩している時に働いているのはご存じの通りです。

最近の研究では、交換神経の男女差はほとんどないそうです。しかし副交感神経は加齢とともに低下してくるとのこと。男性では30歳ぐらいで、女性については40歳ぐらいで機能が大きく衰えてくる。その時期に体力も急激に低下してくるそうです。

つまり、リラックスする能力が減り、睡眠にも関わり、休憩する能力が減退することになります。副交感神経が衰えてくる10年の男女差が、他の要因も関連しながら、男女の命の差となってしまうようです。仮説とはいえ、なかなか興味深く、ため息も出てしまいました。

(岡西)


2020年6月21日