11月2日(土)シンポジウム「哲学対話を通して学びの場としての美術館を考える」

        
  
開催日: 11月2日(土)
時 間: 14:00〜16:30
参加料: 無料(美術展観覧には入館料が必要です)

3回目を迎えた「八色の森の美術展+子ども絵画展」は、現代美術で活発な活動を続けている作家(今回の出品者は35名)と、出前授業や公募による子どもの作品を同列に展示することによって、現代アートをより身近に感じてもらう展覧会として始まりました。今回も、ワークショップや美学者の谷川渥氏による講演会、文化講座など、様々なイベントを企画し、11月30日まで開催中です。

前回からは、展覧会を背景にした「哲学対話」を試みています。「哲学対話」というと硬いイメージがあるかもしれませんが、討論のように白か黒かを結論づけるのではなく、また美術鑑賞に枠づけられる必要もない、より自由に考えを深めたり広げたりする楽しい対話の形として近年広がりをみせています。当館では、「哲学対話」の第一人者である立教大学教授の河野哲也先生を迎え、10月15日に南魚沼市立上関小学校3年生と国際情報高校「魚沼学プロジェクト」1・2年生、16日には浦佐認定こども園年長組を対象に「哲学対話」を実施しました。美術館が現代アートを媒介にして、思考力と対話力を育む新たな学びの場になるような、多種多様な対話がなされ、参加者にとっても関係者にとっても、未来につながる貴重な体験となりました。

現代社会は大きな転換点を迎えています。特に近年では「創造性」や「多様性」が社会変革のキーワードのようになっています。例えばSTEAM教育(Science 科学、Technology 技術、Engineering ものづくり、Art 芸術、Mathematics 数学)にみられるように、企業などでも芸術教育をめぐってその重要性が真剣に問われ始めています。そのような意味でこれからの美術館は、非日常的な美的体験を提供するだけでなく、正解のない様々な社会の課題に対して批判的思考力と対話力を育むために、肩の力を抜いて話し合い、感じ合える場に組み替えていく必要があります。「八色の森の美術展+子ども絵画展」のキャッチコピー「えっ!からはじめよう。」にはこのような意味が込められています。

11月2日のシンポジウム「哲学対話を通して学びの場としての美術館を考える」では、10月15日〜16日の実践を紹介しながら、美術館の未来像を一緒に考えたいと思います。多くの方々の参加をお待ちしております。


11月2日(土)14:00〜16:30
シンポジウム「哲学対話を通して学びの場としての美術館を考える」
出席者
河野哲也(立教大学教授)
松本健義(上越教育大学教授)
青木善治(南魚沼市立上関小学校校長)
倉田智浩(「愛 南魚沼みらい塾」理事)
茂木和佳子(元国際情報高校教諭「魚沼学」担当)
コーディネーター:大嶋 彰(出品作家、立教大学特任教授)


2019年10月31日