大嶋 彰 OSHIMA Akira
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絵画の襞Ⅳ 18-L06 
アクリル、油彩、蜜蝋 
259×194cm 2018
 
世界中に自己中心的な本音が現われてきた。膨大な情報(欲望)とその不満がまき散らすストレスに耐えかねて、まるで噴きこぼれた鍋のようである。前世紀を通じて掘り起こされてきた芸術や思想の地殻変動は、今では何事もなかったかのように塗りつぶされ、「意味」という無数の図にすがりつくことで自己の充足をはかろうとでも言うのだろうか。自己は一度でも意味だけで充足されたことはないにもかかわらず…。
この前世紀の地殻変動が私たちに知らせてくれたことは、意味も自己も元はと言えば恣意的であり、意味ならざるものや自己ならざるものとの関係によって生成され続けるということではなかっただろうか。しかし一方で、この恣意性が徹底的な二律背反とダブル・バインドをもたらすことも同様に知らされている。意味や自己は変えることができなくてはならず、かつ、変えてはならないのである。そしてこの矛盾は、人々の欲望が最も露出しやすい「教育」に表象される。私は、図らずも教育現場に身を置きながらこの両極を、つまり「芸術」と「教育」のことを考え実践してきた。
私の絵画実践は、このような両極に呼応するかのような、形と形ならざるものの葛藤と往還であり、その瞬間におとずれる両義性にある。つまりその両義性が、両義性のまま宙づりにされたとき、絵画という表面に忽然と何らかの構造をもった奥行きが現われるのである。このような奥行きは、私自身の〈生〉の現場であると同時に、ひとつの社会実践でもあるのだと感じている。

 

略歴

1951 新潟市出身
1977 東京藝術大学大学院修了
1993〜94 文化庁芸術家在外研修員(ペンシルヴェニア大学大学院客員芸術家)

 

主な個展

1983 銀座絵画館(東京)
1984 鎌倉画廊(東京)
1985 日辰画廊(東京)→’86
1990 ギャラリーQ(東京)→’92,’96
1992 創庫美術館(新潟)
1994 ペンシルヴェニア大学(アメリカ/フィラデルフィア)
2004 アートフロントギャラリー(東京)
2009 海岸通ギャラリーCASO(大阪)協賛:(株)住友倉庫
2010 京王プラザホテル・ロビーギャラリー(東京)→’12,’14,’16,’18

 

主なグループ展

1984 接点(埼玉県立近代美術館一般展示室)→’86,’88,’89,’90,’91,’93,’95,2000,’01,’03,’04
1984 O氏記念賞基金設立・大橋賞受賞作家展(日本橋髙島屋)
1984 現代美術’84年の展開「ひとりあるきの箱」(神奈川県民ホールギャラリー)
1986 イコノ・ゲネシス展(山梨県立美術館)
1987 降り立った《絵画》展(東京都美術館)
1989 ENVISION'89(ハイネケン・ビレッジ・ギャラリー/東京)
1991 TRANS-SURFACE(表面の再発見)(ギャラリー古川/東京)
1994 LARGE PRINT SHOW”MEYERSON UPPER GALLERY(ペンシルヴェニア大学/フィラデルフィア)
1996 シリーズ 新潟の美術'96(新潟県立近代美術館)
2000 越後妻有アートトリエンナーレ2000(新潟)→’03
2005 A・I・D・A展(比良美術館/滋賀)→’06
2006 あすを見つめる近江の作家達展(比良美術館/滋賀)
2008 表層の冒険者たち―2008展(ギャラリーいしだ/東京)
2009 表層の冒険者たち―2009展(exhibit Live & Moris Gallery/東京)
2009 表層の冒険者たち―Vol.4(海岸通ギャラリーCASO/大阪)
2009 ベンと私展(養清堂画廊/東京)
2017 表層の冒険-抽象のアポカリプス(ギャラリー鴻/東京)
2017 八色の森の美術展(池田記念美術館/新潟)→’18
2018 ラスト接点(埼玉県立近代美術館一般展示室