八色の森の美術展 出展者紹介

外向
小林良一 kobayashi ryoichi

略歴

1957 栃木県佐野市生まれ
1987 東京造形大学 美術学科 絵画専攻卒業
1997 五島記念文化賞美術新人賞、ニューヨークにて一年間の海外研修

1987 個展 ギャラリィK/東京(1988、1990、1992)

1993 「第1回軽井沢ドローイングビエンナーレ」脇田美術館/長野

1994
個展 ヒノギャラリー/東京(以後、2017年まで10回)
「さまざまな眼64」かわさきIBM市民ギャラリー/神奈川

1995
「VOCA’95 新しい平面の作家たち」上野の森美術館/東京
「視ることのアレゴリー 絵画・彫刻の現在」セゾン美術館/東京
「SHISEIDO GALLERY ANNUAL95」資生堂ギャラリー/東京

1995-96 「絵画、唯一なるもの」東京国立近代美術館/東京、京都国立近代美術館/京都

1998 個展 ギャラリーαM/東京

2001 個展 ヨコハマポートサイドギャラリー/神奈川

2003 「絵を描く人々の集い」ギャラリーかれん/神奈川

2004 「ディスタンス・栃木県出身作家の現在」栃木県立美術館/栃木

2005 「世界の呼吸法」川村記念美術館/千葉

2010
「五島記念文化財団設立20周年記念展 美の潮流」Bunkamuraザ・ミュージアム/東京

2012 「音・色・かたちのポリフォニーVol.4」スタジオSK/東京

作家コメント

kobayashi

言葉と絵画

2011年の個展から作品にタイトルをつけるようになった。発表を始めた頃からそのほとんどが「無題」あるいは「UNTITLED」だった。「無題」ということが、より積極的な意味を持つ時代があり、絵画は絵画の要素のみで成立すべきであるという理念が有効に機能した時期でした。

かつて絵画は、不純物であると思われた物語や言葉を次々と取り除いていって非常に潔癖なものになっていきました。まるで精神のみで立っているような潔い姿でしたが、同時に肉体を失ってしまったかのようにも見えました。

その時代の後に絵画に関わろうとした人は、絵画の存在理由を問いながらの制作となった。絵画以外のものごとと関係を持つことが純粋さを損なうのではなく、絵画を鍛えあげていくのではないかと、多くの作家がさまざまに試み、突破口を探しつつの時期に入り、久しくなったと思います。

私の場合も遅ればせながらの言葉との関わりです。言葉によるひらめきを画面に注ぎ込むこと。特に完成のヴィジョンが途中で見えにくくなることもある制作プロセスにおいては、おもいのほか言葉の作用が大きく、作品の向かう方向が指示されていくように思えることがあります。

遠ざかってしまっていた言葉と絵をふたたび恋愛関係のようにできたらいいと思います。そして、言葉が喚起するもの、色彩が震わすもの、形態が暗示するものなどの力を総動員して絵画の肉体を回復させていきたいと考えています。