八色の森の美術展 出展者紹介

『茫揺('15-Oct.)』キャンバス、油彩 162cm×162cm 2015年
石井博康 ishii hiroyasu

略歴

1952年 岡山県生まれ
1977年 東京藝術大学油画科卒
現在、東北芸術工科大学美術科教授

〈主なグループ展〉

現代日本美術展(’85、東京都美術館・京都市美術館)

ウォールアート展(’87、エルゴギャラリー、東京)

板橋INSTALLATION〈花〉(’88、板橋区立美術館)

版概念〈過去・現在・未来を採集する版画〉(’89、ギャラリーαM、東京)

第1回C・A・F展(’89~’99、埼玉県立近代美術館)

板橋の現況展(’89、板橋区立美術館)

絵画のパラダイス(’90、ぎゃらりいセンターポイント、東京)

日韓現代美術交流展〈新世代の作家達〉(’91、船橋アートフォーラム)

現代美術新世代展(’92、国立青洲博物館、韓国)

それぞれの「0」展(’98~2017、銀座井上画廊)

中日友好交流(’04、中国湖北学院美術館、武漢・中国)

Japan / Wisconsin Arts Exchange(’05、ウエストベンド美術館、WI,USA)

石井博康+小林裕児コラボレーション(’05、セイント・ノーバート大学、U.S.A)

表層の冒険者たち(’09、CASO海岸通ギャラリー、大阪)

生まれるイメージ(’11、山形美術館)

東北芸術工科大学の美術家たち(’12、神田日勝記念美術館、北海道)

青木茂〈海の幸〉オマージュ展(’13、ギャラリー・ヒルゲート、京都)

東北芸術工科大学洋画教員展(晩翠画廊、仙台)

Square展(’15~、ギャラリー58、東京)など

〈主な個展〉

ギャラリー・ヴィヴァン(’79、’83、東京)

ギャラリー山口(’83、’84、’86、’87、東京)

ぎゃらりいセンターポイント(’88、東京)

フタバ画廊(’99、2000、’02、’04、東京)

色彩美術館(’06、東京)

Gallery-58(’10、’12、’16、東京)

GALLERYとわーる(’11、’13、’15、福岡)ほか

作家コメント

ishii

近年、私の絵画に繰り返し立ち現れる、垂直に落下もしくは上昇する表象。どうしてこのようなものに囚われるのか、なかなか説明がつかなかったが、制作を繰り返すうちに、画面の向こうにいつも一つのイメージが姿を見せることに気付いた。それは子供の頃、故郷の高梁川の橋の上から飽かず眺めた川面の光景のように思われた。真下に見える川面にたゆたう光、水面を透過して見える川底の石や水草はゆらゆらと揺らめきながらも、その位置を変えることはない。しかし膨大な水量は川上から川下へ絶えず移動し続けるのだった。今、私の絵画を特徴づけているレイヤー(層)とドットは、この原体験と深い繋がりがあるように思えてならない。たとえば、垂直に落下もしくは上昇する表象と、画面上を規制し整序付けるドットとの関係を、流動する水の層とそれに抗うように川底に留まる無数の石などと重ね合わせることもできよう。ただ、絵画の問題はそのこととはまた別の地平にあり、そう単純に納得するわけにはいかない。しかし、留まるものと流動するもの、それによって生じる摩擦と揺らめく空間の層が作り出すイリュージョンは、いま私が見たい世界の一つであるには違いない。