市川 和英 ICHIKAWA Kazuhide
03_ichikawa_w
Untitled
WOOD,AEP
115×90×5.4㎝ 2018
 
現代絵画の知識をお持ちの方なら、画面の上下を貫く線状は、バーネット・ニューマンの絵画における「ジップ」を想起されるでしょう。
ジップとは「活」を与えるというような意味で、反造形の最初の絵画を描いた画家ニューマンのアイコンのようなものです。
ずいぶん前のことですが、こういった構図の斬新性に現代性のようなものを強烈に感じたことがあります。
国立西洋美術館の常設展示にある、モネの「陽を浴びるポプラ並木」という絵です。
3本の大きなポプラの木が画面の上辺を貫き、水面に反射しているところを描いているため、下辺も貫いているように見えます。
つまり、メインモチーフが上下カットされているようなもの。
おそらく、モネ以前にこのような構図で絵を描いた人はぼくの知る限りいないと思う。
ぼくの場合、色面だけでも上下に貫くことで立体・平面といった両義的なものが担保されるかと思いきやそうはならず、まったくつまらない作品になってしまった。
そこで、線状のところをヤスリで削ってみました。写真だと分かりづらいですが、そうすることで多少なり視覚性の混乱を表出できた、か?
ぼくは元から絵を描いているつもりはなく、平たいものを作って壁に掛けると絵画的なものに収斂されていくような、そのどうしようもなさ、その強烈な絵画的フォームの求心力に魅了されているだけなのです。

 

略歴

1953 新潟県長岡市生まれ
1978 創形美術学校造形科卒業

 

主な個展

1978 藍画廊(東京)
1980 田村画廊(東京)→’86
1981 真木画廊、駒井画廊(東京)→’85,’87
1988〜2008 ときわ画廊、ギャラリー檜、トキ・アートスペース、ギャラリー現(東京)
1990 馬頭町たばこ倉庫ホール(栃木県/馬頭町)
1998 「さまざまな眼95“TORSO”」かわさきIBM市民文化ギャラリィ-(神奈川/川崎)
2013 人形町ヴィジョンズ(東京)
2017 色彩美術館(東京)

 

主なグループ展

1977 「いりくんだあみのめ展」神奈川県民ホール(神奈川)→’78
1981 「OPERA展」東京都美術館(東京)
1988 「多摩川福生野外美術展」福生市南公園ほか(東京)→’89,’90.’91
1992 「大町野外美術展」長野県大町市
1993 「木曽福島野外美術展」長野県木曽福島町
1994 「新潟市美術館野外彫刻大賞展」[優秀賞]新潟市営庭球場エントランス設置
2001〜2016 「ABST展」ヨコハマポートサイドギャラリー、ヒノギャラリーほか(神奈川、東京)
2012〜2018 「Art Geo Construi」Gallery TURN AROUND(仙台)
2016 「登米アートトリエンナーレ」サトル・サトウ・アート・ミュージアム(宮城)
2017 「表層の冒険 抽象のアポカリプス」ギャラリー鴻(東京)
2017 「八色の森の美術展」池田記念美術館(新潟)→’18
2017 「Primitive Presence 二人展」トキ・アートスペース(東京)
2019.11 「ABST展」ヒノギャラリー(東京)〈予定〉